800人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
「さて…そろそろ怒らなきゃ駄目かな…」
美咲が家を空けてから5日目、悟兄ぃが重い腰を上げた。
友達の家に居るんだって、ずっと言われて…美咲にだって、交友関係が有るんだからって言い聞かされて…
だけどさ、一回くらい俺に連絡をくれても良いじゃんね。
「お手柔らかにね?」
「…ふふ…」
不適に笑う悟兄ぃを苦笑いで見送る春ちゃん。
暫くして二階に戻った悟兄ぃの部屋から、滅多に聞かない怒声が響く。
俺も隼くんも吃驚して春ちゃんに抱きついた。
「大丈夫だよ、悟くんは今お父さんなの」
父さんの変わりにお説教中なんだって…、春ちゃんは慣れてるのか普通にしてるけど、俺達は怖くて怖くて…
悟兄ぃがスッキリした顔で降りてきてから1時間後、罰が悪そうな顔をした美咲が帰ってきた。
「ただいま…」
俺の顔は一回も見ない。
だけど、ずっと会えなかった美咲が目の前に居る事が嬉しくて…構わずギュって抱きついた。
「…お帰り、美咲…」
「…うん、…ごめんね」
抱きついてて気が付かなかった、美咲がこの時…凄く泣きそうな顔してたなんて。
_
最初のコメントを投稿しよう!