💡君ときどき父さん

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無意識のうちに泣いたのか、頭がぐわんぐわんする。 どうか夢であって欲しい、そう思いながら足取り重くリビングに顔を出せば、ソコには隼くんしか居ない。 「おはよ…」 「はよ…何、喧嘩でもした?目、真っ赤だけど」 「分んない…ふられた…」 隼くんの大きな目がもっと大きくなって、持っていた珈琲がカップから零れそう… どうしたら良いか分んないよ、って抱きついたら優しく抱き返してくれた。 「…何かの間違いだよ、美咲ちゃんがかず嫌いになるわけ無いもん」 「……でも、…見ただろ…」 口に出すのもイヤだった。 隼くんは言わなくても分ってくれて、何度も頭を撫でてくれる。 溜息しか出てこない…少しでも気を抜くと、また泣いてしまいそうだ。 美咲は何処に居るの…、美咲に会いたい…でも、会いたくない… 「…ただの友達だって、信じてたんだけどなぁ…」 キッチンのテーブルに並んだ冷えた朝食… 何時もなら、時間が無くても必ず完食してから出かける美咲が…今日は残したらしい。 「…何か、急いで出てったよ…美咲」 俺と会いたくなかったのか、仕事なのか、…新しい恋人に会いに行ったのか… もう、どうでも良いや…。 ふられたって、簡単に諦められるわけ無いんだから… _
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