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ピルピルピル…
何時も通り、リビングで双子水入らずで寛いでいたら突然鳴り出した隼くんの携帯電話。
涙で滲んだ視界の先、携帯のサブディスプレイに表示された「父さん」の文字。
隼くんは躊躇いながらも通話に出た。
「…もしもし?」
『あぁ…隼、久しぶりだね…元気にしてた?』
「…ぁ、うん。父さんも元気そうだね」
電話から微かに聞こえる父さんの声…
『お陰さまで。なぁ、美咲居るかな?携帯に出ないんだ…』
「…美咲?」
隼くんの口から漏れた名前にピクリと反応した自分が憎たらしい。
隼くんを引き寄せて、携帯に一緒に耳を寄せて父さんの声を聞いた。
『この間話した後、様子が可笑しかったんだよ』
先週、父さんは美咲に電話をしたんだって…
でも…話してる途中で、様子が可笑しくなったって…
俺…何か有るって思って、隼くんから携帯を奪い取った。
「父さん!アンタ美咲に何言ったの!?」
電話越しに驚いてるのが分る…
『何って…何時も通り近況報告して…』
自分でも凄く焦ってるって分る。
何時もと同じ、お互いの近況状況だったり家族の話したっだり…
『…で、美咲がさ嫁が見たいかって言うから…』
あ……分かった。
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