💡君ときどき父さん

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無言で差し出された携帯を手にすれば、聞こえてきたのは案の定父さんの声。 「…この間はごめんね」 当たり障りの無い言葉から始まった会話は、父さんの質問攻めに変わった… 一也の言っていることは本当なのか? この間の"男同士"ってのは、お前達のことなのか? 何時からだ? 何で今の今まで黙っていたんだ? 俺は何も応えない、ただ俺の中に罪悪感と言う黒いもやもやが広がっていくだけ。 『美咲!!』 珍しい父さんの怒鳴り声は、携帯電話を外まで零れて弟達にも伝わった。 心配そうに俺を見る4つの瞳。 ―…オヤジの反対位で諦めつくなら初めから好きだ何てヌかさないで!! "友達"の言葉が頭の中で木霊して、頬に触れた激励のキスを思い出したら少し胸が軽くなった。 「……全部、父さんの思っている通りだから」 一也に言わせちゃいけなかったよね、俺は恋人である前にお兄ちゃんだもん… 「弟…好きになってごめんなさい、だけど…」 俺は本当に"一也"と言う人間を狂おしいほど、愛してるんです。 言ってしまえば簡単なもので、踏ん切りもつくもんだね… 「…美咲…」 一也は瞳うるうるさせて、今にも泣きそうな顔をしながら抱きついてくる。 片腕で小さな身体をギュっと抱き締めて"ごめんね"って頭を擦り付けた。 _
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