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=Kazuya=
目を覚ますと、視界は真っ暗だった…
無理矢理顔を上げれば、目許を赤くした美咲の寝顔…。
「……みさき…」
帰ってきた事、夢じゃなかった。
俺の事抱き締めて、大好きだって言ってくれた美咲は夢じゃなかった…
胸に顔を埋めて、もう逃がさないようにギュって強く抱き締めれば苦しそうに呻いていた。
「んー……ぅ、…」
「…美咲…」
「……かず…」
寝起きの甘ったるい声がすき。
何時も明るくてデカイ声が、少し掠れて…多分、色っぽいって奴なんだと思う。
「…父さんに、勝手に言ってごめん…」
美咲の顔、見れなくて…ちっちゃく呟いた。
「…んぅん、逆に…有難う…」
「え…?」
「俺…言えなかったから…」
髪を撫でる優しい手が心地いい…
「…俺、本当に…美咲の事好きなんだ…」
「うん…」
「だから、他の奴の所何か行かないでよ…」
「うん…」
ぎゅって、強く抱きつくと香る美咲の甘い香り。
美咲の長い指先が俺の頬を撫でて、そのまま髪を後ろに梳いた…
「……俺、早く大人になるから…」
14歳何て、子供以外の何者でもなくて…
5歳の差が悔しくて、悔しくて…早く対等に扱って欲しくて…
「…焦らなくて良いよ、俺はちゃんと待ってるから…」
気持ちばかりが先走っても、俺の身体は子供のまま…
悟兄ぃなら…こんな時、どうするのかな…俺には、ぎゅってするしか出来ないよ。
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