💡君ときどき父さん

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黄色と緑のリボンが掛けられた色違いの小さな小箱。 「…どっちが、俺のかな?」 「同じ奴かもよ?好きな方…取って良いから…」 美咲も、緊張しているのかな…少し、声が硬い気がするよ。 そうだよね、だって…何時もなら俺には海外のゲーム、美咲には向こうで流行っている服が送られてくるはずだから。 「じゃあ…俺、黄色…緑あげるね?」 美咲の手に緑の小箱を乗せてやれば、コクンって頷いて大事そうに握り締めた。 「…開けてみたら?」 既に本に夢中の隼くんや春ちゃんの目を盗んで、ポンって肩を叩かれて吃驚した。 悟兄ぃが優しい顔でこっちを見てて、ツンって小箱を突付くから… 2人で恐る恐るリボンを解いた… 「「……あっ……」」 小箱の中身に、思わず声が漏れた… 嬉しいけど恥ずかしくて、恥ずかしいけど嬉しくて… 「何が入ってた?お前ら顔真っ赤だぞ…」 「な…なな、何でもないよ!」 美咲を見れば、これまた顔を真っ赤に染めて眼が可哀想なくらい潤んでる。 とっさに小箱を後ろに隠して、美咲の手を引っつかんで2人で部屋へ逃げるように駆け上がった。 この時、きょとんとしてる兄弟の中…一人ニヤニヤ笑ってる悟兄ぃに構ってる余裕なんて、俺には無かったんです。 _
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