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中身を見た瞬間、じわって涙が浮かんでくるのが分った。
何が入ってた?って興味津々な悟兄ぃを押しのけて…一也に手を引かれて俺の部屋に駆け込んだ。
「ぐすっ…」
「……泣くなよ、馬鹿」
ぎゅって小箱握り締めて、浮かんでくる涙腕で拭って…
「だっ…だって、コレ…」
「…うん、…」
小箱から、黄色い石の付いた指輪が取り出されるのを涙で歪んだ瞳で見つめれば、小さな手に左手を取られる。
「…俺、コレ読めない…けど、何となく分るよ」
俯きぎみの一也の表情はちゃんと見えないけど、耳が少し赤くなっているから…きっと照れているんだね。
「……俺、美咲の事…幸せに出来るように頑張るから…」
スルりと薬指を滑る指輪は、初めから其処に有ったみたいに落ち着いた。
ぎゅって俺の手を握る一也の手は、心なし震えていて…
"あぁ、頑張ってくれてるんだな…"って、愛しくなった。
「…俺も、お前の事…幸せにするよ?世界で、2番目に…」
絡まる手を引っ張って、丸い指先にキスをしたら…心なし、指先まで熱いような気がした。
「何で2番目なんだよ…」
分らないよって、唇を尖らせる姿に小さく笑って…
俺も自分の小箱から緑の石が付いた指輪を取り出して、左手の薬指に嵌めてやれば…残念な事に少し大きかった。
「だって、お前の事恋人に出来た俺が1番幸せだから」
俺の言葉に、最初はきょとんとしてたのに…段々顔が真っ赤になっていくのが分って少し面白い。
「ば…ばっかじゃねぇの!!」
ぶかぶかの指輪が落ちないように拳を握って、プイって顔を逸らす一也は可愛い。
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