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美咲が泣いていた。
縁側に座り、声も出さずに静かに涙を落として…。
その手には、母さんが残した美咲のアルバム。
美咲は静かに泣いていた。
葬式の時も、命日の日も決して泣かなかった美咲が…
今、一人で泣いている。
アルバムに残された母さんの手紙…
"この家から見守っているから…"
母さんはこの家に居て、何時でも俺達の傍に居てくれてる…。
誰より母さんが大好きで、母さんの最期を一番近くで見つめて…
それでも泣かなかった美咲は、今…母さんを感じているんだ。
あの日から何年経っても、忘れる事の出来ない母さんの笑顔…。
「…みさき…」
そっと隣に座って美咲の肩を抱き寄せる。
微かに肩を揺らしたけど、美咲は何も言わず涙を拭う事も無く俺の肩に顔を埋めた。
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