🎵Hello!!猫さん

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フと足元に何かが触れる感触がして視線を落とすと、小さくて白い毛玉がが俺の脚に擦り寄っていた。 「…どした、迷子?」 よく見れば、ソレは白猫で抱き上げても抵抗しなかった。 そっと膝に乗せて背中をなでると、ゴロゴロと咽を鳴らして擦り寄ってきた。 「人懐っこいな…お前」 商店街で貰ったお土産をあさって、小さな紙パックの牛乳を取り出して、手のひらに少したらす。 子猫は匂いに気づいたのか、俺の手のひらから小さな舌でペロペロと牛乳を飲んだ。 手のひらに触れる舌の感触がくすぐったくて、何だか胸がほっこりした。 子猫に首輪は付いていない、周りに親猫らしき猫の姿は無い… 捨て猫だろうか? まだ元気なようだから、捨てられたならまだそんなに時間は経っていないはず…。 「なぁ…お前、一人なの?」 牛乳を飲み干して、口元を舐める猫の頭を撫でながら声をかけると、 俺の言葉を理解しているのかいないのか、タイミングよくニャーって鳴いた。 「…そ、なら家においでよ…牛乳たらふく飲ましてやるよ?」 俺も、猫が何を言っているのかなんて分からないけど… 何となく、いいよ…行くよって言っている気がしたから… 俺は、猫を抱えて家に帰ったんだ。 弟達には、連絡も何もしなかった…帰って来たときに、それぞれ説明すればいいさ。 了承も何もとらなかったけど、この猫は俺といた方がいいと…感じたんだよね。 _
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