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美咲が海外ロケに出て早5日。
5日間会わないことなんでザラに有ったのに、相手が日本に居ないと言うだけでどうしてこうも違うのか。
寂しくて、寂しくて…何時だって泣きそうになってしまう。
「……うん」
兄の背中は小さくて、決して頼りがいのある物ではない筈なのに…
寂しくて、悲しくて、苦しくなると頼ってしまう。
「…ぅ、わき…してたらシめてやるんだ…」
「そだな。そん時は俺も加勢してやるよ」
カラカラと明るい声で答える兄に、俺は腹に回した腕に力を込めて思いっきり締め付けた。
"ぐはっ!!"って苦しそうな声が聞こえるけど知らんふり。
「美咲が浮気なんかするはず無いだろ!」
「ぎぶっ!ギブー!!」
口では苦しそうに言ってても、顔が笑ってるの俺は知ってるんだからな。
腹に回した俺の手に、兄の手が重なって優しく優しく握ってくれた。
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