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「どうすんの?」
「…謝るしかないじゃん。俺にはかずだけだもん」
膝の上で握った拳に自然と力が入る。
かずが記事を見たらきっと悲しむ。
もし、かずに熱愛記事なんて出たら俺だったら泣いて責めちゃうかも知れないもん…ソレが例え無実だとしても。
「はぁ…今度から気をつけろよ?」
「うん…」
春ちゃんは深い溜め息を付いた後、俺の頭をくしゃくしゃと撫でてくれた。
「俺は…大丈夫だと思うけどね」
「貴方はまた…何でそう言いきれるのよ」
読み終えたのか、既に興味がなくなったのか…雑誌をポイっと投げ捨てた悟兄ぃは、ソファに寝転びながら大きなあくびをした。
"だって、かずだもん"って、当たり前だろ?って言うみたいに、一言言って…兄ぃは寝てしまった。
双子ちゃんはきっともうすぐ帰ってくる。
かずはもう雑誌の事を知ってしまっただろうか、もし知らなかったら…
やっぱり自分から、言った方が良いよね。
あぁ…胃がキリキリする。
今まで他人事みたいに読んでた熱愛記事に、まさか自分が載るなんて…。
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