💡れいにーれいにー

4/5
前へ
/255ページ
次へ
「かずってばぁ!」 「分かってるよ!」 隼くんは… ううん…ボクも本当は雷が苦手だから、もうゲーム所じゃない。 早く誰か帰ってきて欲しい…誰か、誰か早く… ピカッ!! 「「ひっ!!」」 ゴロゴロゴロゴロゴロ…… 「「ひやぁああ!!」」 一瞬お部屋の中が明るくなって、今迄で一番大きな音が響いて飛び上がる。 2人でぎゅうっと抱き合って、もう…泣きそう…。 怖くて、怖くて… 「かずっ…」 「だ…大丈夫、大丈夫っ!」 力いっぱい隼くん抱き締めて、何時も春ちゃんがしてくれるみたいに頭を撫で撫で。 雨のザーザーする音と、雷のゴロゴロと…2人でお耳を押さえ合った。 時計を確認すると、もう夕方… 雷が落ちる度にビクビクして…時間の感覚なんて無いよ。 雨も少し弱くなってきた気がする…雷の音も…少しだけ、小さくなって… 「雨…やむかな…」 「うん……っあれ!?」 また、遠くでゴロゴロ聞えたと思った瞬間、唯一付いていたテレビが消えた。 お部屋の電気を点けに行く余裕が無くて、部屋の明かりはテレビだけだったのに… 一瞬で部屋の中は真っ暗になって、何回リモコンを押してもテレビが付かない。 「ど…どうしよ…」 「ふっ…ぅ、うぅ…」 停電だ… 真っ暗なお部屋の中で、遂に隼くんがポロポロ泣き出したのが分かってボクも泣きたくなった。 雨は全然やまないないし、遠くで聞える雷の音も無くならない… 「みしゃ…ぅ、…うぇ…」 「かずっ!じゅん!」 もう、不安で仕方なくて…美咲ちゃんに、兄ちゃんに会いたくて泣いちゃった。 でも、同時にドタドタ誰かが走る音がして、聞き覚えの有る声がした。 「うわっ…停電してんじゃん」 「ブレーカー上げてくるよ」 「悟くんお願い…おい、かず!隼!部屋にいる?」 聞こえる声は、春ちゃんだ…悟兄ぃだ… 「にぃちゃ!」 隼くんは、俺から離れると暗闇の中声の方へ走っていっちゃった。 "隼っ良かった!"って春ちゃんの声が聞こえるから、無事に会えたんだと思う。 パッとお部屋が明るくなって、隼くんを抱っこした春ちゃんを見つけたらすっごく、すッごくホッとした。 _
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

800人が本棚に入れています
本棚に追加