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=一也=
胸元から美咲の穏やかな寝息が聞こえる。
そっと、顔を覗き込むと美咲の目許に涙が浮かんでいた…
学校?友達?仕事?俺の事?何に悩んでいるんだろう…
何も話してくれないから、俺はこうやって抱き締めてやる事しか出来ないんだ。
濡れた目許にキスをして"美咲…"って小さく呼べば、少しだけ笑ってくれる。
それがちょっと嬉しくて、ちょっとだけ悪戯心が生まれちゃう。
明日は休みだって言ってたし、流れで寝てしまったけど…
少し位、致しちゃっても文句は無いよね?
思い立ったら即行動…
美咲の頬を撫でるとキメの細かい肌が心地いい。
徐々に腹部へと手を滑らせていく…
「やめてっ!!」
突然美咲が叫んで、思い切り肩を押されて、俺はベッドから転げ落ちた。
「…み、美咲?」
「ぁ、う…、ご、ごめんね…」
身体をぎゅっと抱き締めて、泣きそうな顔で俺を見る…
「いや、俺の方こそゴメン…嫌だったんだろ?」
「違うの…、シ…たいけど、駄目なの…」
顔を歪ませて、小さく首を振る…
どうしたんだよ…
やっぱり、様子が可笑しいよ…?
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