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美咲は撮影中、突然倒れたのだそうだ。
何があったのかは分からないが、美咲の身体には無数の青痣。
搬送する車の中で何度も謝罪を口にしていたと…
栄養失調と寝不足…
そこに何かしらのストレスが一気に加わったせいでパニックに陥ったのだろうって…
不自然に逃げたあの日…
俺は美咲の不調や違和感を知っていたのに、何も出来なかった。
「…春くん、美咲任せて良い?」
悟くんの声に我に返ると何時の間にか時間は過ぎて、外は暗くなっていた。
泣き疲れて眠った一也を背負った悟くんは、隼が心配だからと一度家に帰っていった…。
美咲と二人きりの病室。
目覚める事の無い美咲の頬に手を添えれば、ひんやりとして胸が痛い。
「美咲…ごめんな?」
気が付かなくて…
視界がぼやけて、自分が泣いているのだと気づいた…
幾ら拭っても涙は溢れて来て、情けなくて仕方ない。
ごめん、ごめん…何でもいい、何でも良いから声を聞かせて…
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