🍀あと一歩 春編

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「……さとるくん…」 静まり返ったリビングで、何度泣いたか分からない。 俺ばかりが貴方を好きなんじゃないかって… 貴方は初めから、俺の事なんて好きじゃ無かったんじゃないかって… 結局、兄弟と言う枠から出られなかったんだって… そう思うと、毎日が辛かった。 一週間なんてあっという間。 今日は平日だから、下の3人は朝から学校…俺も昼から講義に出かける。 悟くんは、朝から姿が見えない…。 きっと、釣りに行ってそのまま学校に行く気なんだろう。 「春ちゃん、おめでとう!!」 「ちゃんと、早く帰ってきてくださいよ!」 「ご馳走作るからね!」 1人づつ、ぎゅうぎゅう抱きついて頬にチューしてくれる。 元気よく出て行く弟達の背中がまぶしい…。 一人歩く、バス停までの道。 空はこんなに青いのに、気持ちはどうしてこんなに重いんだろう。 一目で良い、一目で良いから悟くんに会いたいな… _
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