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なのに、授業に全然集中できなくてトンチンカンな回答をして笑われた。
「なで肩が、何時に無くストーンってなってるけど大丈夫か?」
幼馴染の竜ちゃんが、俺の肩をさすりながら心配そうに首を傾げる。
学部が違うのに、わざわざ会いに来てくれたみたい…
昼飯に誘われて、向うのは学校の近くにある喫茶店。
なかなかの穴場で、美味くて安いのに人が少ない…
だから、相談とか…何か大事な話をする時は、最高の場所なんだ。
「久々に会って見れば辛気臭い顔して…誕生日だろ?笑えよ春」
竜ちゃんは、俺の両頬をムニって引っ張って満面の笑みを浮かべて俺を見た。
子供の頃から、竜ちゃんは何時も守ってくれて…その笑顔で、元気をくれるんだ。
「ぐすっ…うぅ…りゅーちゃぁん…」
「何だよお前ー…そんなに祝ってもらえて嬉しいのか!可愛いやつめ!!」
テーブル越しに抱きつく俺を、驚きながらも支えてくれる腕は、悟くんとは全然違う力強くて頼れる腕だった。
落ち込んでいる俺に気づかないフリをして、わざとふざけた態度で笑わせてくれるのが竜ちゃんの優しさ。
無理に聞こうとは絶対にしないから、俺は安心して竜ちゃんの胸で泣けるんです。
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