🍀あと一歩 春編

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こんなに辛いなら、告白なんてしなければ良かった。 "悟くんが、好きです" 意を決した俺の告白に、嬉しそうに笑ってキスしてくれたのは…可哀相な弟への同情だったのかな。 今思えば彼からキスを求められた事有ったっけ… "スキ"って言われた事有ったっけ… 大学から家まで、ただ全力で走った。 息が切れて苦しくて…、でも足を止めたら泣いてしまうって思うから。 「はぁ…はぁ…、俺…馬鹿みたい」 家の前。 足を止めれば、案の定涙が流れて我ながら情けなかった。 冷静に考えて、何一つ恋人らしい事なんてしてないじゃん… "スキ"って言うのは、何時だって俺からで… デートに誘うのも俺からで… キスを強請るのだって俺だけだ… お休みのキス。 あんなの、俺が毎日ねだったから習慣になっただけに過ぎなかったんだね。 一緒に寝てくれたのだって、その延長線だったに違いない。 悲しくて、悲しくて…今日は、最悪の誕生日。 _
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