🍀あと一歩 春編

9/19
前へ
/255ページ
次へ
……授業をサボってしまった。 もう良いや…、弟達には悪いけど今夜はそっとしておいてもらおう。 部屋で、一人、悟くんへの気持ち…整理しよ… 好きで、好きで、大好きで… 兄貴だって、分かってても…笑顔を見る度に胸が高鳴って… 「…、ただいま…」 誰も居ないのに、一人呟いて…違和感に気がついた。 玄関に揃う、見慣れた青いスニーカーを見つけたから… それは、見間違うはずも無く悟くんのもの。 今しがた、気持ちを整理するって決めたのに…足は一気に階段を駆け登って彼の部屋。 「っさ…さとるくん!!」 ノックも忘れて扉を開ければ、驚いて眼を丸くする悟くんが居た。 「し…しゅん!!」 慌てる彼に飛びついて、力いっぱい抱きしめた。 「…悟く…悟くんっ!」 止まった涙が溢れ出して、何度も叫ぶみたいに名前を呼べば、そっと背中を撫でてくれた。 温かくて、嬉しくて… 俺は、彼を諦めるなんて絶対出来ないって思いました。 _
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

800人が本棚に入れています
本棚に追加