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……授業をサボってしまった。
もう良いや…、弟達には悪いけど今夜はそっとしておいてもらおう。
部屋で、一人、悟くんへの気持ち…整理しよ…
好きで、好きで、大好きで…
兄貴だって、分かってても…笑顔を見る度に胸が高鳴って…
「…、ただいま…」
誰も居ないのに、一人呟いて…違和感に気がついた。
玄関に揃う、見慣れた青いスニーカーを見つけたから…
それは、見間違うはずも無く悟くんのもの。
今しがた、気持ちを整理するって決めたのに…足は一気に階段を駆け登って彼の部屋。
「っさ…さとるくん!!」
ノックも忘れて扉を開ければ、驚いて眼を丸くする悟くんが居た。
「し…しゅん!!」
慌てる彼に飛びついて、力いっぱい抱きしめた。
「…悟く…悟くんっ!」
止まった涙が溢れ出して、何度も叫ぶみたいに名前を呼べば、そっと背中を撫でてくれた。
温かくて、嬉しくて…
俺は、彼を諦めるなんて絶対出来ないって思いました。
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