🍀あと一歩 春編

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自分でも驚くくらい、声は掠れてて…何て女々しい奴なんだろうって思った。 呆れられても良い、ただの兄弟に戻ったって構わない… 今まで通り、悟くんの傍に居れたらそれで良い。 後ろから抱き込まれている状態では、お互いの表情なんて見えっこないって分ってはいるんだけど… 今は、見えない事が有りがたかった。 俺を抱きしめるだけで、悟くんは何も言ってくれなくて、首筋に当たる吐息がくすぐったい… 女々しくて、うざったかったかもしれないけど、胸の内を全て話した事を、俺は後悔しなかった。 「春…、今まで本当にごめん」 漸く聞こえた声は、謝罪だった… それは、何の謝罪なの? 俺とは、もう一緒に居れないっことなの? 嫌だ…嫌だ…!!嫌だ…!!! 悟くんが俺から離れてしまうなんて、考えただけでも気が狂いそうだった。 「何で謝るの?…ぉ、俺は…弟としても傍に居れないの?ねぇ!!」 振り向いて悟くんの胸倉を掴んで叫んだ。 「……っ」 「…悟ってば…、何とか言えよ!!」 悟くんの身体を揺さぶって、いまだ枯れない涙がボロボロと流れ出る。 目頭が熱い、喉が痛い、胸はズキズキと苦しい… _
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