#2_蝉が死んでいる

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それから赤迫と会話をする事数分でチャイムが鳴り、先生がそれを見計らったかのようなタイミングで教室に入ってきた。 日直が起立と礼を指示して、僕達はそれに従う。そして先生はいつもの詰まらない話を始めた。 やがて話を終えた先生は教室を出て行き、教室内に残された僕達は、一時間目が始まるのを待った。そして、再びチャイムが鳴り、ちょっと遅れて英語の先生が入ってくる。 そんないつも通りの時間を過ごしていると、いつの間にやらお昼休みとなっていた。 皆、家から持ってきたお弁当を鞄から出して机に広げ、仲の良いクラスメイトと一緒に食べている。僕も弁当を出し食べようとしたのだが、この時になってようやく気付いた。 お弁当を持ってくるのを忘れた…… 「中吉、一緒に弁当食べようぜ」 二段式の弁当箱を持った赤迫が僕の目の前にやってきたので、今の事態を説明すると彼は大笑いしていた。 「笑うなよ。売店で何か買ってくるわ」 そう言って教室を出て売店へ向かおうとしたら、ちょうど廊下で沙羅と鉢合わせた。 「あっ、大ちゃん。ちょうど大ちゃんの教室に行こうと思ってたんだ」 沙羅は弁当箱を手の中に抱えながらそう言った。 「なんか用なの?」 「一緒にお弁当食べようかと思って」
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