#1_馴れ初め

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僕、中吉大吉(ナカヨシダイキチ)と幼なじみの古井沙羅(フルイサラ)が出会ったのは、おそらく僕ら二人が産まれて間もなくの頃だったと思う。 と言っても出会った時の記憶があるわけではない。僕は2023年の11月に産まれ、彼女はその一ヶ月後の12月に産まれた。そして、新年を迎えた1月に両親の挨拶がてら顔を会わせる事となったらしい。 それから、おそらく保育所に入った頃だろうか?その時から古井沙羅という女の子の事を初めて認識できたような気がする。 僕の家の向かいに住んでいる可愛い女の子。 どう可愛いとか当時はよくわからなかったけれど、とにかくこの子と居ると凄く楽しくて心がウキウキしていたのは覚えている。まぁそれが恋に変わるのは、確か小学校4年生ぐらいの頃だったと思う。 それまでクラスは別だったけど、その時初めて同じクラスになり、幼なじみという事もあってか休み時間にはよく二人でお喋りをしていた。 周りから茶化されてもお構い無しで、寧ろ僕自身は優越感に浸っていたような気がする。それに、沙羅は特別モテる子でもなかったので、他の男子に嫉妬されて怨まれる事も無かった。
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