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大きく堂々と振りかぶり、長い足をベルト上まで上げ、186センチの体が深く踏み込む。
ここまでは何万回と見てきたフォームだ。しかし次の瞬間--、
指から放たれたボールは大きく揺れて空気中を漂ったかと思ったら、
手元まで届くと予想した螢の意志に反して鋭く落ちた。
バウンドしたボールは対応しきれなかった螢のミットをかいくぐり、螢の胸元、鎖骨の近くに直撃した。
「うぐっ…げほっげほっ…。」
「おっ、おい、大丈夫か!?…」
「あ…あいむおーけー、あいむあいあんまん…。」
胸を叩き咳き込みながらも、笑顔を作って見せた。
「あいあんまんって(笑)とりあえず大丈夫か?」
「大丈夫も何も…、コントロール磨けばすぐ実戦で使えるよ…。」
「いや、ナックルの事じゃなくて…。」
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