アルバイト

プロローグ。

「あ～、金欲しいなぁ。大会までには新しいバッ手※買いたいんだけど金が足りねぇー。」

※バッ手…バッティンググローブのこと。バットが滑らないように、手のひら側が滑り止めになっている手袋。

「確かにお金欲しいですねぇ～。」

「そういえば、ねぇ螢知ってる？このアルバイトのサイトのURLの、arbeitのbをvにすると、裏サイトに繋がるって話…。」

「どれどれ……」

言われたURLのサイトにつなぎ、全体をよく見た後、雅に言われるがままのアドレスを入力してみる。

「…って、さっきと白黒反転で表示されるだけじゃん!!」

「えっ、あっ、なぁんだぁ…。」

画面を閉じようとした時、裏サイトにしかない文字に気づいたが、気づかないふりをした。

「健康診断を受けるだけで、10万円以上貰えるって…。まぁんなわけないか！」

「ん？何か言ったぁ？」

「何でもねぇよ！だいたい俺らバイト禁止だろ～？それより野球の練習行かなきゃ！」

この日、僕の寿命は残り１ヶ月と２週間になった。