0人が本棚に入れています
本棚に追加
私と彼女は所謂幼なじみというものになります。
両親を事故で亡くし孤児となっていた私は、歳が同じため、また親同士の仲が非常によろしかったためか、4歳の頃にメイド兼彼女の遊び相手として旦那様に雇用されました。
それから14年。メイドや遊び相手、お仕事のお手伝いなどなど色々ありましたが、今現在は旦那様の御好意でお嬢様と同じ学園ほ通わせて頂いております。
旦那様には本当に良くしていただいております。感謝してもし尽くせません。
ですので、ご恩に報いるためにこの身体が朽ち果てるまでお嬢様をお守りします。と10歳の頃にご家族の前で宣誓しました。
そのとき旦那様が苦笑いを浮かべられたような気がしたのですが、恐らく私がまだ子供であったが故のことだと思います。
そのため、旦那様が心配なさらないようにメイドの作法は勿論の事、お嬢様を護衛するにあたっての戦闘技術も鍛えてきました。
今では余程経験を積んだ方や力が強い方とでない限り、正攻法では負けることはないかもしれません。
一応は12歳の時に武術大会の未成年の部B(10~17歳)に参加し、なんとか優勝を勝ち取ったことがありますが、それを報告した時も旦那様の口角がひくひく動いていた気がしました。
きっと旦那様は「その程度では片腹痛い」とおっしゃりたかったのだと思います。
確かに子供と大人では体格も力の強さも経験も量が違います。未成年の部で優勝したとしても所詮は伸びしろが有り余っている子供。子供がプロの暗殺者となることは滅多にありません。
お嬢様を守るためには大の大人と戦い、五体満足で勝つことが必要十分条件となりましょう。
御優しい旦那様はそれを正面から示すのではなく、未熟な私が自分で気づけるようしてくださったのでしょう。本当に旦那様には頭が上がりません。
最初のコメントを投稿しよう!