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――ギャアアアアア!!!!!
ギィィィイイィィ――――…
魔物達が動きを止め、目を押さえながら悶絶する。
闇と光、相対するものをお互い弱点とするために、この力が放つ光を浴びただけでも、レベルの低い弱い魔物であれば消滅してしまう。
だがこいつらはそれなりに力を持った、比較的に強いと言われている魔物だ。
せいぜい、一定の時間目くらましの効果を与える程度だろう。
「まあ、それでも十分なんだけど。――《紅龍》」
チリッ
業名を唱えれば、剣を包む白い光が紅蓮に変わる。
その光は、まるで剣自体が激しく燃え上がっているように凄まじい熱気を伝えてくる。
「《燃やし尽くせ!!!》」
未だに目を押さえている魔物達に向かって、剣を大きく振るう。
次の瞬間、剣を包む紅蓮の光は龍を形作り、鋭く尖った牙が生え揃った口を、大きく開いて炎を吐き出した。
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