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魔力は僅かしか無く、かと言って魔力の運用が上手いわけでもない。だけど魔法が発動しないわけでもない!
入学して一週間で習う簡単な初期魔法ではあるが、俺の右手には先程までは無かった無骨なロングソードが握られていた。
「ギ…………ガギ?」
漏れでる魔力により、闇夜に薄青い光が灯る。それに対して反応を見せたゴブリンが背後を振り返るが遅いッ! 俺は既に、創造したロングソードをゴブリンの心臓に突き立てていた。
「ビギッ!?」
ゴブリンは短く断末魔を上げると、ドサリと冷たい地面に倒れた。
俺は軽く血振りをすると、ロングソードに問題が無いか調べた。…………刃は歪み無く、月明かりを反射して鈍く輝いている。一度魔法で作った武器はあまりに破損しない限り壊れる事は無い。そのため俺は、次のゴブリンを探すために周囲を見やった。
――――そのおかげで俺は、自分の人生に終止符が打たれるのを事前に止める事が出来た。
「――――っらあッ!!」
迫り来る凶刃を、右手に持っていたロングソードで迎撃する。…………しかし片手で、しかも反射的に振ったためか威力は出ず、アッサリと剣は折れた。
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