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俺が生徒会室に向かって
歩いていると
「…美田園。」
風紀委員長に出会った。
「あ、いいんちょー…げっ」
「げ、とはなんだ。失礼な。
書類を持って来たんだが…」
「え?あぁー…あーうん。
ありがと。」
正確には、委員長+1
あれは……
憑かれてる、よねぇ…
"幽霊"に。
「ほら、書類。」
「ぎゃっ!」
なんて考えていたら
委員長がいつの間にか
目の前に来ていた。
「…なんだ?」
…これ、言わない方がいいよね。
あんた幽霊に憑かれてるよーなんて。
信じてもらえないだろうし。
肩にべったりとくっつく
黒いもや。
よく見ればそれは男で…
『あんた…俺が見えるのか?』
「…ッ!」
「…どうした?」
男の目が、確実に
俺を捉え
低い声でたずねる。
そして、次の瞬間
『ぃ…にくい、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…』
男の"霊"が
ぶつぶつと呟きだした。
ただ、憎い、と。
いっきに膨れ上がる
悪意、憎悪
霊力。
こうなると、成仏させるのは
不可能だ。
このままじゃ、
やばい、かも
「くっ……」
「おい、大丈夫か?」
ガクリと膝から崩れ落ちる。
やばい。
委員長が、俺に手を伸ばす。
今触られたら、
俺が憑かれる……!
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