そのにぃ。

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《いや!いやぁああああ!》 《大人しくしてろよ!》 男の、記憶… これは、強姦の現場? 《そこまでだ!》 あ、いいんちょー… …場所が、変わった。 《処罰が決まった。》 風紀室だ… 《お前ら3人は、退学だ。》 また、ぐらりと 世界が歪む。 目の前には、男の人と 涙を流す女の人… この男の両親だろうか? 《お前は一族の恥だ!》 《二度と、家の敷居を 跨がないでちょうだい!!》 辺りが真っ暗になる。 屋上、だ… 《なんで…… あいつのせいだ… 風紀の奴さえいなければ… あいつのせいだ……》 《死んでやる》 《そして、あいつを………》 男は、屋上から まっ逆さまに落ちていった。 浮遊感。 俺が落ちているような、 そんな感覚。 霊に憑かれるってことは 記憶も、痛みも、感情も すべてを共有するってこと。 現に俺は、凄く、怖い。 あぁ、地面が… ―ガツンッ 頭が、割れる。 骨が…… 痛い。痛いよ… すぐには、死ねなかったんだね、 痛い、痛い、痛い… 痛い。
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