そのにぃ。

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「…ん……ぅ?」 目が覚めると 森ちゃんと委員長がいた。 「お、起きたか?」 状況がいまいち呑み込めない。 俺は、確か… 「ぁ…」 そうだ、俺…あの男の霊に…… もう怖くないはずなのに 身体が小刻みに震える そんな俺を、森ちゃんが抱き締めてくれた。 屋上から落ちた時の あの感覚が忘れられない… 「俺……生きてる?」 答えはわかってるけれど、 聞かなきゃ不安で…… 「…あぁ、生きてるよ。」 でも、 「…そう……って!今何時?!」 思い出してしまった 書類の山。 慌てて森ちゃんから離れる。 「お前なぁ……ハァ…今は7時半。 お前寝不足だったろ…… 飯は食ってんのか?」 「食べてる食べてる! んじゃ、俺行くね。」 ヤバイヤバイ! もう朝とかどんだけ寝てんだよ俺! 「おいこら待ちやがれ。」 「え?なーに?」 たずねると、森ちゃんが真顔で 委員長を呼ぶ。 「み、美田園……」 「…なに?」 …ごめんいいんちょー。 居たの忘れてた。
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