そのにぃ。

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「いいんちょー?」 なかなか話し出さない委員長に 痺れを切らし、ちょっと 催促してみる。 「…その、…体調は、大丈夫か?」 「んー?全然へーきだよぉ! 憑かれやすい体質だから… なれてるし……」 「そうか…」 委員長の顔が少し歪む。 あれ、返答間違えた? でもまぁ、 それ以上、何も聞かないってことは 森ちゃんが説明してくれたのか… 気をつかわれているだけかも しれないけど… …てか今さらだけど 森ちゃん何者!? …とかごちゃごちゃ考えてたら 急に委員長が 顔を上げ、口を開いた。 「美田園… 俺は、生徒会のメンバーを リコールするつもりだ」 「……………へ?」 思わずすっとんきょうな声を あげてしまった。 「今……なんて?」 「…俺は、生徒会のお前を除く メンバーをリコールする。」 はっきりと告げられた言葉に 場の空気がピンと張り詰める。 ……リコール…? 生徒会の、メンバーを……? 「な、んで?」 声が、震える。 自分は今、酷く情けない顔を しているだろう。 「それは…お前が1番よく 分かってるだろ? あいつ等は仕事を放棄している この忙しい時期に、だ。 風紀として、見逃すわけには いかない。」 …わかってた。 俺ひとりでは、限度があるって。 いつか、仕事が追いつかなくなる ことぐらい 想像するのは容易い。 でも、 「……お、れ…頑張るから、 迷惑、かけない…から…… 皆の分の仕事もちゃんと やるし! 連れ戻す、から…! だから! だから、リコール、は 待って…ください。 お願いします……」 でも、 もう少しだけ 待ちたいんだ。 信じて、みたいんだ… 皆のこと…… 「お願い、します。」
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