そのさん。

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……が、 『きぃ!こっち!』 「え?嘘!」 『だから右だってば!』 「…そーだっけ?」 『きぃ!行き過ぎ!』 「わぁぁっと…ここ?」 俺はかなりの方向音痴だ。 うん、この際認める。 全力で走ったのに 結構時間がかかってしまった。 「…じゃぁ、たーくん、りっちゃん、 お願いねぇ」 でも、ちゃんと着いたよ! ……とは言っても、 俺、喧嘩とか出来ないからさ… 『おっけ!任しといてぇ♪』 この2人に、 "ポルターガイスト"を おこしてもらって 犯人を追い出してもらいまーす。 ―ガタッガタガタ… まずは、机をどぉーん! 「うわぁぁあっ!」 「な、なんだ!?」 おぉ、怯んでる! 次に箒が飛ぶよー! 「やばくね?」 「おい!なんだよこれ!」 「なに、おま、ビビってんの?」 椅子もばぁあん! ―ガラガラッ 「「「うわぁぁぁああああ!!」」」 よし、中に居た奴等は 全員逃げ去った! 「転入生くん!だいじょぉぶ?」 俺はすぐに 教室の中に入り、転入生くんに 声をかけた。 …筈だった。 けれど、そこに居たのは…… モジャモジャ眼鏡…ではなく、 金髪な、可愛い系の男の子 だった。 「え………咲…くん?」 しかも、 見覚えのある……… 「き……ぃ?」
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