3510人が本棚に入れています
本棚に追加
/94ページ
……が、
『きぃ!こっち!』
「え?嘘!」
『だから右だってば!』
「…そーだっけ?」
『きぃ!行き過ぎ!』
「わぁぁっと…ここ?」
俺はかなりの方向音痴だ。
うん、この際認める。
全力で走ったのに
結構時間がかかってしまった。
「…じゃぁ、たーくん、りっちゃん、
お願いねぇ」
でも、ちゃんと着いたよ!
……とは言っても、
俺、喧嘩とか出来ないからさ…
『おっけ!任しといてぇ♪』
この2人に、
"ポルターガイスト"を
おこしてもらって
犯人を追い出してもらいまーす。
―ガタッガタガタ…
まずは、机をどぉーん!
「うわぁぁあっ!」
「な、なんだ!?」
おぉ、怯んでる!
次に箒が飛ぶよー!
「やばくね?」
「おい!なんだよこれ!」
「なに、おま、ビビってんの?」
椅子もばぁあん!
―ガラガラッ
「「「うわぁぁぁああああ!!」」」
よし、中に居た奴等は
全員逃げ去った!
「転入生くん!だいじょぉぶ?」
俺はすぐに
教室の中に入り、転入生くんに
声をかけた。
…筈だった。
けれど、そこに居たのは……
モジャモジャ眼鏡…ではなく、
金髪な、可愛い系の男の子
だった。
「え………咲…くん?」
しかも、
見覚えのある………
「き……ぃ?」
最初のコメントを投稿しよう!