そのさん。

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「は……ぇ?な、んで こんなとこに…」 「きぃ…きい!」 ひとり動揺していると 抱きついてきた咲くん。 俺の記憶が正しければ 義理の弟である。 「俺、転入してきたんだけど… なかなか黄依に会えなくて 黙っててごめんな!」 転入……? あのモジャ眼鏡以外に 転入生なんて居たっけ? そこで見つけた 床に落ちてるモジャモジャな鬘。 …え。 「…そ、れより、だいじょぉぶ? 何もされてない? かいちょー呼ぶから」 …取り敢えず離れてー 寝不足でろくに頭回んない…… そっと身体を離すと 涙目で睨み付けてくる咲くん。 ……俺、なんかした? 「そんなに、俺が 嫌いなのかよ!? ……もしかして 黄依が、さっきの 奴等に命令したのか? 俺、知ってるんだからな! 黄依が親衛隊の奴等を セ、セフレにしてるって! 寂しいから そんなことしてるんだろ!? 俺が一緒に居てやるから、 そんなこと止めろよ! さっきのことも、 謝れば許してやるから! 俺が皆とばっかり一緒に居るから ヤキモチ焼いたんだろ!? 構って欲しかったんだよな?」 ……相変わらず 宇宙人ですことー… ってか、俺のせいになってる? 俺助けに来ただけだよねぇ? そうだよねぇ? セフレはいないんだけどなぁ… 誰がそんなこと吹き込んだのさ…… …副会長達か。 ……かいちょー呼ぼ…… 「咲くん、今かいちょー呼んだから 落ちついて?ねぇ?」 「黄依!無理して笑うなって 言ってるだろ!? それより!早く謝らないと 許してあげないぞ!」 黙れーこの糞餓鬼ィ。 …って、 もうはっきり言っちゃおうかなぁ なぁんて… 「咲くん、勘違いしてるみたいだけどー 俺、命令なんてしてないよぉ? 俺はぁ、咲くんを助けに来ただけぇ」 仕方がないので弁解してみた。 …が、 「嘘つくなよ! 謝れば、許してやるって 言ってるのに!」 ……うん。無理。 通じないみたい。 …さっすが宇宙人だねぇ。 頭の中どうなってるんだろ… 凡人には到底理解できないよ。
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