そのよん。

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「俺らは、ずっと一緒だ。」 「「ずっと一緒?」」 「あぁ!」 「おーきくなっても?」 「当たり前だろ!」 「…約束?」 「おぅ!ほら、早く指だせよ!」 「はい、約束です」 「ん。ゆーびきーり げーんまん…」 ふわふわとした感覚に 目を開けると、 そこには、 幼かった頃の俺達がいた。 みんな、笑ってて 俺も、笑ってて あの頃は楽しかったなぁ、 なんて。 ――――――……… 「大丈夫です。私はずっと、 …きい様の味方ですから」 「ねぇ!みなみ、居なく… なっちゃうって、なんで?」 「……申し訳ありません… …きい様………」 あぁ、これは…… …夢? ――――――――… 「いい子にしてなさいね」 「…はい、おかぁさん」 「外に出ちゃダメよ。 誰か来ても出ないで。」 「……はい。」 ―――――…… 「目をあわせないでよ!」 「気持ち悪いっ」 ……なつかしいなぁ これは…幼稚園の頃かねぇ? 「きいくん、今日は 先生と一緒に帰ろうか」 「ぇ…ほんとぉ?!」 「うん、勿論!」 そーだ、変態の先生がいたんだ。 「せんせ?どーしたの?」 「きいくんは、ほんとに 可愛いね…」 「……っや!」 ―――――――――――…… ころころと、場面が変わる。 断片的な、俺の記憶… 「いい子にしててね」 「ほら、いい子にしてないと ダメでしょう?」 「いい子だから、ね?」 「いい子にしてなさい!」 「いい子になってね」 いつだって俺は、 いい子でなくちゃいけなくて 言い付けはしっかり守ったし 勉強も頑張った 好き嫌いもしなかった 我が儘も言わなかったし たくさん我慢した いつも笑顔でいたし 泣かなかった ひとりで、頑張った。 必死にいい子を、演じてた。 ……それなのに、 なんでかなぁ… みぃんな、離れていっちゃうんだ。
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