そのろく。

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「………ぉ…」 声が、聞こえる だ、れ? 「み……の…」 何だか、 悲しそうな声… (……おきなきゃ…) ゆっくりと、目を開ける。 「…ん…ぅ……?」 「美田園!」 真っ先に目に 飛び込んできたのは… ……人の、顔? 「………ひゃっ!」 思わずびっくりして 変な声が出てしまった… はずかしい…… 「…悪い、驚かせたな… どこか、痛むか?」 「…へーき、です」 心配そうなその人の 問いかけに、赤くなりながらも 小さく答えて 布団に潜り込む。 …ほんとは、 身体中が痛いけど…… そんなに痛くないから 大丈夫だよね。 …うん。 大丈夫、大丈夫。 ……そんなことより… 「…ぁの……」 僕は、さっきから 気になっていたことを 聞いてみることにした。 「………?」 布団から少し、 顔を覗かせる。 「……あの… お兄さんは …だれ、ですか…?」 「………は?」
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