そのろく。

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黄依side 夢を見た。 何だか懐かしい、 暖かい夢。 皆、笑ってた。 僕も、笑ってた。 その"皆"が誰なのか 分からないけど… 楽しい。 それに、嬉しい。 僕なんかに 笑ってくれる。 話しかけてくれる。 ―でも…… 皆の姿が、 だんだん… 遠ざかっていく… ……どうして? 「…待って!」 叫んで、手を伸ばした。 必死になって走る。 待って、待って… 置いてかないで… ひとりに、しないで… …気がつけば 暗闇の中、ひとり 取り残されていた。 ……どうして? どうして、皆 僕を置いていくの? 僕がいい子じゃないから? 僕が邪魔だから? 僕が… …俺が…… いらない、から? 俺はもう、必要ない?
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