そのろく。

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「もぅ…死にたい……」 「……!」 こんな思いを するくらいなら、 死んでしまいたい…。 …それに…… 「俺が死んだら、きっと皆、 喜んでくれると思うんだ。」 邪魔者が消えたら せいせいするでしょ? 今度こそちゃんと、 消えてみせるから… もう、失敗しないから… 「誰からも、必要とされてない 俺なんか…… いなくなっちゃえば いいんだよ…」 ―パチンッ 「……ッ!」 自嘲気味に呟くと いいんちょーが 俺の頬を打った。 派手な打音が 静かな病室に響く。 「そんなこと、言うな…」 痛いくらいに 強く抱き締められ、 いいんちょーが 俺に告げる。 「少なくとも、俺には、 お前が必要だ。」 …言っている意味が、 分からなかった 「お前が、必要なんだ… 美田園……」 必要? 誰が、何を? 「だから…… 頼むから、そんなこと、 言わないでくれ…ッ」 意味、わかんないよ…
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