第一章

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楠は小さく頭を下げ二人を見る 「俺は左之と同じ副長助勤の永倉新八」 「僕は藤堂平助!僕も副長助勤ね!よろしく楠くん!」 (お、永倉の奴疑ってるな?) 自分を怪しむ目で見ている永倉に楠は笑みを深める 「にしても楠くん可愛いね。良いなぁ僕の隊にも可愛い子欲しい」 (アンタも可愛いからな) 「お前が既に可愛いから隊に入る奴が可哀相だろ」 「だからだよ!僕は男なのに可愛い可愛いって!嬉しくない!」 「……それ楠も同じだろ」 永倉に言われて藤堂はアワアワ慌て始めた 「違うよ!そういう意味だけどそういう意味じゃなくて!!」 「平気です。慣れてますから。男娼に間違われたり、女から変なヤッカミも数え切れないくらい受けましたから」 男には舌打ちを噛まし、女には毒を吐いてきた。笑い話のような口調で話すと藤堂が楠の手を握った 「すっっっっっごくわかるよそれ!!変なヤッカミ受けるよね!!お前らが僕たちより醜女なだけじゃんってなるよね!!」 (いやそこまで言ってないけど。意外に口悪いな) 原田と永倉は平然としていることから藤堂の口の悪さは慣れているようだ。それを咎める素振りすらない
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