第一章

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「俺はそこまで思ったことはありませんが…もともと女が好きじゃないから興味すら湧きませんね。男もウザイと思いますけど」 「女の子嫌いなの?なんで?」 「鬱陶しくありません?思い通りにならなかったら泣くし怒るし。反吐が出る」 楠は憎悪のある声音で答え藤堂の手をやんわりと外す 「念のために言っておきますが俺は男色じゃありませんからね。女に興味ない上に恋愛にも興味ありません」 「あ、あぁそうか。じゃ、説明があるからじゃあなふたりとも」 「失礼します」 片手を挙げて原田は楠を連れてその場を離れる ************** 「―――――説明はこんなもんだな。他に聞きたいことがあるなら聞け。答えれる範囲でなら答えてやるから」 「いえ、大丈夫です」 「………あのよ楠」 「はい?」 「女に何されたかしらねぇけどよ、悩み事があるならいつでも俺に言えよ。解決は出来なくても気晴らしにはなるだろ」 (……ウザイ) だがそんなことはおくびにも出さず、楠は笑みを貼り付けて礼を述べた 「どうせアレだろ。惚れた女にフラれたんだろ」 「違いますよ、惚れた女なんて一人もいません」 「またまた」 これ以上、弁解しても原田は同じことを言うだろう。楠は諦めて口を閉じた
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