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月明かりでしかなかったから斎藤に言われるまで気付かなかったが沖田の頬は紅潮している
「…………お疲れ様です斎藤先生」
「良かったですね楠。こんな酔っ払いの下じゃなく原田の下で」
「酔っ払ってなぁい!!」
(酔っ払いに限ってそう言うんだよ)
刀を鞘に戻し楠は青筋が浮かぶ斉藤に一礼して平隊士が眠る部屋に帰った
「………見た?彼の刀についた脂」
「えぇ。どうやらただ可愛い隊士ではないようですね」
「さて何処の鼠かな。潰し甲斐があったら良いな」
「…………沖田」
「冗談だよ。真面目に捉えないでよ」
沖田は誰よりもこの組を…と言うより兄貴分である土方たちを慕っている
彼等の夢であるこの組に何かしようなら地獄の果てまで追い掛けて始末するだろう
「ま、何処でも良いや。兄さんに言ってこようっと。じゃねーおやすみー」
ヒラヒラと手を振り沖田の背中が見えなくなると斉藤も部屋へ戻った
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