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「見た目で判断しないでくださいね先輩」
見た目は愛らしい少年。しかし、遊女の色気にも引けを取らない妖艶な笑みを浮かべる楠がそこにいた
楠が入隊して次の日、朝の稽古に出でいた
「昨日入った楠だ」
原田は稽古を始める前に自分の隊の者に楠を紹介する
容姿が容姿なだけに卑下する者が大半を占めていたが気にせず笑みを貼り付けた
「楠小十郎です。若輩者ですがよろしくお願いします」
「よし。それじゃあそれぞれ稽古を始めろ」
バラバラと散っていく隊士たちを楠はジッと見つめる
「お前も誰かと組になって打ってこい」
「でーすーかーら、子供扱いはやめてくださいって何度も言ってるでしょ!!!」
「おぉっと。危ねぇ危ねぇ」
楠は腹に一発殴ろうと拳を握ったが、己より大きい手で止められ呆気なく失敗に終わる
(うぜぇ!!俺コイツ嫌いだ!!)
元より、桂たち以外の人間は嫌いだが原田はそれよりも嫌いになった
「オイお前!原田先生に何をする!!」
「何って殴ろうとしただけですが」
反省の色はなく、さも当たり前に答える楠に目の前の隊士は眉を吊り上げる
「お前…!!」
「まぁまぁまぁまぁ高階。ちっとは落ち着け。な?」
「ですが!!」
(美しい師弟愛だこと)
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