第二章

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楠はパチパチと瞬かせてニッコリと笑う 「あぁ分かりますか。一応隠していたつもりなんですがね」 さして気にした風でもなく至極アッサリ認める 「お、前少しは否定しろよ…」 「だって、人を斬ったというよりいきなり襲われたから揉み合っていたら返り討ちに遭ったと言った方が正しいですし」 肩を竦ませ自分は被害者だと言う 「幸運にも人の良い人に助けてもらい今に至る、ですね。」 他人事よろしくに楠は言い退ける楠。だが原田は彼の華奢な肩を掴む 「何もされてないだろうな?助けてもらっただけだよな?」 「何もされてませんが…」 何故昨日入ったばかりの、赤の他人とも言える楠をこうまで心配するのか分からなかった。いや、分かったところで楠には理解出来ないだろう 「が、なんだ?」 「なんでもありません。離してくれませんか手」 「悪ィ…」 原田の手が離れ、楠は二歩程後ろに下がる 「先生は、幸せな時を過ごしたんですね」 恨まれることもなく、家族やたくさんの仲間に恵まれて 「…すみません。忘れてくださ――」 「楠くーん、お客様だよー」 「うげ、総司」 露骨に嫌そうに顔を歪めた原田に沖田はムッと唇を尖らせた
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