第二章

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「原田さん酷いねー。可愛い弟分の僕を見てゲッだなんて。ねぇ楠くん」 「なにが可愛い弟分だよ。こんな可愛げのねぇ弟持った覚えはねぇ」 「……それで俺に客とはどなたでしょうか」 関わりたくないと楠は強引に話を戻すと沖田はケラケラ笑う 「楠くんの性格好きだな。素直と言うか、真面目と言うか。原田さんの所が嫌になったらいつでも僕の隊においでよ」 歓迎するから、と言った沖田に楠は背中がゾワリとした (さすが組一の剣豪……昨日は油断してたけど俺の正体に気付いてるかもな) 口元が歪みそうになるのを必死に堪える 「―――おい沖田、いつまで俺を待たせる気だ」 がっしりした体躯で鈍く光る鉄扇、意識してか無意識なのか男の纏う空気は威圧的である 「少しは辛抱してくださいよー芹沢さん。新入隊士をみたいというから自分の仕事を放って案内してあげているんですから」 隣にいた原田が息を呑み、拳を握る 壬生浪士組筆頭局長 芹沢 鴨 酒好き、女好き、更に自己中心的で一人を除いて幹部の悩み種だ 「芹沢さん、一体コイツになんの用だ?今まで、新入隊士が来ても興味すら出さなかったのによ」 「女のような者が入ってきたと聞いたからな。見てみたいもんだろう?」 「そうか。楠、この人は――」 「芹沢鴨だ。此処で筆頭局長をしている」
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