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「魔剣……!?」
美緒都はもがくのをやめて、床に落ちている剣の柄を眺めた。
男を警戒しつつ、隼人と京夜が交互に身をかがめて剣の柄を拾う。
ふたりが剣の柄を拾ったのを見届けると、男は空いた方の手を軽くふった。
すると…………
剣の柄から紅蓮の光が迸り、紅い刃となって炎のように揺らめいた。
紅い光の長剣……男の言う魔剣だろう。
男の剣にも、紅い光の刃が出現していた。
あれで闘うつもりか。
一方的に攻撃されるよりは遥かにマシだが、隼人と京夜がどの程度魔剣を扱えるか、心配だった。
何もできないもどかしさにホゾを噛みながら、美緒都ははらはらと闘いの行方を見守っていた。
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