第1章

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「最高だよ、美緒都。君は本当に私を愉しませてくれる」 低い含み笑いを漏らして、男は美緒都の手を踏みつける踵にさらに体重をかけた。 「ああっ!」 耐えがたい激痛に、美緒都はびくんとのけぞった。 こらうようとしても、呻き声が漏れる。 「……あっ……あっ……!」 華奢な肢体をよじって、美緒都は苦痛にあえいだ。 美緒都の苦しむ姿を満足気に見降ろして、男は少年の右手から足を離した。 「立て、美緒都」 美緒都のほっそりした左腕を掴み、男は乱暴に華奢な肢体を引き起こした。 今までとは打って変わった凶暴な光が、切れ長の双眸に揺らめいている。
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