少年のお話。

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 しかし、すぐに捕まって殴られ、パンは取り返され、しまいには唾をかけられてしまいました。それはそうです。少年のフラフラな体が、まともに動くわけもなかったのですから。  そういった理由で道の真ん中に倒れ伏した少年に、救いの手が差し伸べられました。  それは、一目見て富裕層だとわかる少女でした。少年の泥と煤とで汚れた布きれと、少女のキラキラ光る石がついた真っ白なワンピースは、それこそ比べものになりません。
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