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少女は服と同じく真っ白な布を右手に持ち、少年の目の前に差し出しました。
「×××××××××××××××××」
少年には、少女がなにを言っているのかわかりませんでした。物心ついたときから周りにまともな生活をしている人はおらず、会話をする相手もいなかったからです。
なにか必要に駆られた時は、身振り手振りでなんとかしています。
そんなわけで、少年は少女の口がどんな意味の文章を紡いでいるのか理解できませんでした。ただし言葉の意味はわからずとも、その声がとても可愛らしいことはわかりました。
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