30人が本棚に入れています
本棚に追加
どうやら殴られるのが嫌になったようだ。
「誰だって殴られるのは嫌だからね?」
ちっ!
勝手に心を読みやがって。
「まあいい。それで?なぜ俺はこんなとこにいるんだ?」
「それはね……僕が君を気に入ったからなんだ」
「……どゆ事?」
「覚えてるかな?君は子供を助けて死んだんだよ」
そうだ!
思い出したぞ!
俺は子供が車に轢かれる所を助けたのだ。
「あの子供は無事なのか?」
「無事だよ。かすり傷程度の怪我で済んだよ」
「それは良かった。………………って、ちょっと待て!ってことは俺は死んだのか?」
「死んだよ」
「君を気に入った理由だけど、最近あんな行動できる勇気を持った人間がいないからなんだ」
「いや…俺もあの時は気付いたら体が動いてたっていうか、なんというか……」
「無意識の内に動いたなら尚更すごいよ」
「えっ?」
「だって、君は無意識に自分の命より他人の事を考えてるんだから」
「何よりも、その死を恐れない勇気を持った心に惹かれたね」
褒めすぎだろ。照れるジャナイカ。
「ふーん、俺がここにいる理由はわかった。だけど何かあるんだろ?」
最初のコメントを投稿しよう!