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とりあえずライターの火を机の上に置いてある蝋燭に灯火するついでに胸ポケットからタバコを取り出し一服する。
「ったくあの婆、前に纏めて払っただろうが。」
そう、今まで貯めていた家賃代全てをつい一ヶ月前に丸々支払ったと云うのに今月の家賃を推測しに来やがったんだあの女は。
多分もう察していると思うが、××商事のエリートサラリーマンなんて嘘っぽちだ。まあついこの間まではそうだったが、所謂リストラ。
22歳で苦労してやっと入った会社なのにあっさり2年でクビを斬られるとはな、まあ社会なんてそんなもんだろ?
それからと云うもの俺の人生は悲惨だった。今までに挫折と云うモノを味わった事のない俺にとっちゃ会社なんてモンは性に合わず働いては直ぐに辞めてしまいまた働き口を探す、この繰り返しだった。
っんでこの生活も怠くなって来てついこの前からニート生活を送っている。何不自由の無いこの暮らしはまさに快適そのものだった。
誰かに縛られて怒られる事も無ければ、誰にも干渉されないで毎日が進んでいくこの環境。
まあ今までの貯金もあるし贅沢しなけりゃ余裕で後何年かはこの快適な暮らしをエンジョイ出来るわけ。っな、最高だろ?
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