転校生

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「てめぇ!!聞いてんのか!?」 でかいのが 声を上げた。 教室内に 緊張が走る。 …いや 五月蝿いだけだが。 「七不思議探すって 馬鹿じゃないのか? オカルト厨かよ。 きめぇ」 ちびが嘲るように言う。 すると 九十九が 面倒臭そうに 顔を、上げた。 「幽霊は、いる」 それを聞いたでかいのとちびが ぎゃはぎゃは笑う。 …うるせぇな。 しかし 馬鹿にされたにもかかわらず 九十九は冷静だった。 むしろ 楽しそうだ。 「いるよ。 お前の後ろに」 途端 背筋に 悪寒が走った。 ―――え え? なんだこれ。 何か とてつもなく 嫌な、予感が―――― そして。 「きゃあぁぁぁああ!!!」 女子の叫び声と共に 教室が 大きく揺れた。 「なっ…!」 地震のようで 地震ではないような とにかく 奇妙で 気持ちの悪い…… 揺れ。 教室内は 混乱に陥った。 あの 2人も。 困惑して 今にも泣きそうだ。 女子は 既に大半が泣いている。 ―――九十九の 仕業か。 だとすれば あの、奇妙な転校生は 何者なのか。 揺れる教室と 響く悲鳴。 そんな中、 俺は――― 人間と関わるのをやめた 俺はといえば―――― この 九十九弧香という男に とてつもない興味を 抱いていた。 .
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