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つい日照くんを睨むと、眉間がピクッと動いたけど睨み返してはこなかった。
日照くんに睨まれたら怖いと思う。
でも、それよりも腹が立ってたから。
「終~了~!お待たせ!出来上がりだよーっ」
陽気な声と共に、カコンとプリクラが出てきた。
日照くんから目を離して無言でプリクラを取り出し、そのまま日照くんにシートごと渡す。
「はい」
手渡すと、まじまじプリクラを眺めてる。
「これで証拠になるでしょ?」
無言で頷く日照くんにホッとして、これでもう解放されると思いながら
「じゃあ、もう日照くんも帰れるよね?」
ここで別れて1人になりたいと確認したら
「まだ」
日照くんからまさかの言葉が出た。
「とりあえず、飯食う」
再び掴まれた手首を引っ張られ、
「ちょっと!」
私の言葉にも足を止めない日照くんについていくしか出来ない。
一方的な『彼氏宣言』による、かりそめの『デート時間』はもう終わりだと思ったのに・・・
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